私たち自身も

14団伝統の「ひとつ釜の飯を喰おう会」は、毎年8月最後の日曜日。記念式典を終えて大なべいっぱいに作られたカレーを参加者全員で一緒に頂くのが恒例。たいてい団委員会の女性陣が涙を流しながら大量の玉ねぎを刻み、ニンジン、ジャガイモ、豚肉を整えたものを、中庭にしつらえたかまどでぐつぐつ煮てカレーに仕立てるのだけど、去年は「なんか手伝うことありますか?」「あ、おれ、やります」と頼もしい助っ人がぞろぞろ来てくれたな。もちろん、ローバースカウトたち。キャンプでの定番メニューでもあり、キャンプの泊数分何かしら食事を作る経験を重ねただけあって、ジョークを飛ばしながらあっという間に準備を整えてくれたっけ。ビーバーやカブの時には、こんな姿を見せてもらえるなんて想像もできなかった…。

大人はつい、「今、ここ」の視点で「もっとこんなことを」「あんなことも」と望んだり、我が子を取り巻く周りの環境にまで口を出したがってしまいがち。でもね、どのスカウトも若い指導者も成城で垣間見る姿がすべてじゃなくて、あらゆる時と場所でどんな風に過ごし頑張っているかを実際にみてみないとわからないことばかり。知らない間にどんなにか多くの人とふれあい、自然の中に出かけ、たくさんの感動を糧に一人ひとりのスピードで成長して来たか、またこれから成長していくのか、想像しながら接したい。だってね、一人ひとりが必ず誰かに愛されていて、そしてみんな、私たちのたからものなんだから。

私たち大人は指導者であれ育成会員であれ、その役割の前にこの世のすべてのこどもたちと青少年が心豊かに平和を愛する人に成長していける環境を整える存在。喜びやがっかりや口惜しさ、感動を力に変えて育っていくのは彼ら自身なんだよね。私たちは、謙虚に静かに待てる人でいたいな。そして、私たち自身も自分の人生をしっかり生きていこう。彼らに恥ずかしくないように。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です