どうも野宿は苦手なのだけど、自然の中に身を置いて、空を眺めたり風を感じたり、木々のざわめきをぼんやり聞いたりするのは大好き。そんな時間もちょっと味わいたくて、リーダーたちの隙間の時間にふらっとやってくると…
「さて、夕飯の支度にかかるか」「そうですね、そろそろ」
今日のメニューはクリームシチューなんだって。慣れた手つきでジャガイモの皮をむき始めるタキリーの後ろ姿全体から「おれ、今超ハッピー!」が伝わってくる。そういえば、くまキャンプに参加させてもらったときも、こうやって黙々と野菜を切ったりご飯を炊いたり、コーヒーを入れてくれたり、タキリーのいるところは居心地のよい場所になっていたっけ。ローバースカウトたちはみんな彼のもとで育ってきた。肩に背中に腕に鈴なりになってぶらさがり、可愛がってもらってきた子たちと10年、15年たって一緒にキャンプをしている今。こんな長い時間を、つかず離れずでずっと共有してきて、この先もこのゆるやかな関係が続いていくんだね。ボーイスカウトってすごいよ、やっぱり。